大日如来坐像 運慶作 国宝
像高98.8 平安時代末期
台座内墨書から鎌倉新様式を切り開いた、運慶の最初期の作と知れる記念碑的仏像。若々しい面相と体躯には、新時代の気風と青年運慶の想念が伝わってくるようです。
大日如来は密教における根本仏。サンスクリット語のヴァイローチャナという名は「遍く光を照らす者」の意味をもち、如来でありながら、宝冠、瓔珞、臂釧、腕釧を身に着け、一種の王者の姿をとっています。
運慶の生年は不明ですが、造像は20歳代と推定されています。
【 銘文 】
運慶承安永元年(1175)十一月廿四日始之
給料物上品八丈絹肆拾参(四十三)疋也
已上御身料也
奉渡安元弐年丙申十月十九日
大仏師康慶
実弟子運慶(花押)
不動明王立像
奈良県指定文化財
南北朝時代
護摩堂の本尊。密教における根本尊・大日如来の化身として衆生を救うという。矜羯羅(こんから)・制多迦(せいたか)の二童子は江戸時代の補作。
僧形文殊菩薩坐像
堯慶作 奈良県指定文化財
像高82.7 鎌倉時代
寺院の食堂本尊には、時として文殊菩薩像を祀り、日常生活の智慧と戒律の師表としました。本像も、内刳り部背面に記された墨書銘から、旧食堂に安置されていたことが判っています。
胎内には食堂旧本尊で、像高46.0、檜の一木造の僧形合掌像が収められています。開創からそう隔たらない時期の制作と考えられ、開山の命禅上人の像ではないかと言われています。