山号の由来
かつて奈良の東郊に「北大和五山」と呼ばれる五つの寺がありました。忍辱山円成寺、菩提山正暦寺、鹿野園梵福寺、誓多林万福寺、大慈山薬師寺の五つです。総じて平安時代に創建されたと考えられています。それらの山号は、釈尊出家以後、その成道に至る苦行修練の物語に由来しています。今日、当山及び菩提山正暦寺を除く鹿野園、誓多林、大慈山の三ヵ寺は廃絶し、地名にその名を残すだけとなりました。
忍辱山の「忍辱」とは、菩薩の修行すべき六つの徳目をあらわす菩薩行六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・般若)のひとつで、いかなる身心の苦悩をも耐え忍ぶというということを意味しています。